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過去からの贈り物

「海からの贈物」

海からの贈物 (新潮文庫)

著者   アン・モロウ・リンドバーグ
訳者   吉田健一
発行   新潮社(新潮文庫)

「珍しいもので、それ(注:完璧な形をした日の出貝)を
私にいきなりくれた人がいるのである。
この島に住んでいる人たちは皆そうで、
浜辺で会った知らない人が笑顔になり、
近寄って来て、何の理由もなしに貝をくれると、
また向こうに行ってしまう。

その代わりにどうしてくれということはなくて、
何かの挨拶が期待されているのでもなければ、
それで近づきになる訳でもない。貝はただ
くれたので、それはこっちはただ貰い、
互いに相手を信用しきっているのである。

ここでは、人が子供と同じように、
誰かに出会うと笑顔になり、それに対して
こっちも笑顔になって返すものと決めていて、
いやな顔をされるなどということは全然考えない。

そしてこっちも、それがただそれだけ
のことであるのが解っているから、実際に
笑顔になる。その笑顔になるという行為、
またそれによって生じる親しみは、
純粋にその時の現在に属するもので、
『ここ』と『今』の一点に掛かり、
それは一羽の鷗のように宙を浮いて
平均を保っている。」

(「日の出貝」より)

"What are you reading?"
「何を読んでるの?」

"Is it good?"
「それ、面白い?」

"Where did you buy that?"
「それ、どこで買ったの?」

外国に行くと、
こんなふうに声をかけられる
ことがあります。

もちろん知らない人から。

日本だと、
「いきなり声をかけたら
変だと思われるよな」と
自制してしまうような質問です。

いきなり声をかけられると
びっくりしますが、
ちょっとうれしくなります。

一時的な滞在者という
区分けがなくなったような気がして。

もちろん、自分が声をかけても
思うような反応が返ってこないことも
ありますが、それもまた当然。

聞きたいことを自然に聞けるって
いいな、と思います。
普段からそうありたいもの。

そんな過去の記憶を
呼び起こしてくれた「海からの贈物」は
名著であり、名訳です。

著者は、自分が自分であるための
思索を続けた人なんだろうな、と
推測します。

史上初の大西洋単独横断飛行を
成功させていたチャールズ・リンドバーグと結婚し、
自身も飛行家となり、さらに、
息子を誘拐・殺害されるという
喧騒と波乱に満ちた人生を過ごしながら。

著者は2001年に亡くなっていますが、
本を通じてその声を聴ける幸せ。

どの本も過去からの贈物。
昔生きた人々からの手紙。
そう思って今日も本を読んでいます。

<今日のひとこと>

夕方電車に乗ったら、
雲の切れ目から太陽の
光が金色に広がっていました。

その美しさに見とれながらも、
写真の腕がよかったら…と
少々うらめしく思ったひと時。

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コメント

ヤスミンさん、こんばんは。

おー、早速お読みになりましたか!

今、「つめた貝」を読み直したところです。

荒野をさまよい続けたあとで自分と自分の関係、
そして他人と自分との関係について
「漸く解ってきた」とあり、励まされた思いです。

さまよっているのは私だけではない、と。
解るときがいつか来るのだ、と。

ずーっと昔に読んだ
ヴァージニア・ウルフの
「私だけの部屋( A Room of One's Own)」を
思い出しました。

今朝このブログを見て、近々読んでみようと思ったのに、とっても早く手に入りました(^^;

昼食をはさんで読みふけりましたが、驚くほど今の私にしっくりくる内容、特にP42の「自分自身の心臓部と繋がっている時だけ、我々は他人とも繫がりがあるのだ。。。」のくだりにビシィっと打たれました。

内的な泉を見つけるのには1人になるのが一番いい、という所も。。。

自分がありのままの自分でいるための思索を、私も続けたいです。。。孤独もまた怖れることなく。

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