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苺の季節に読む本

『春になったら苺を摘みに』

春になったら莓を摘みに

著者   梨木香歩
発行   新潮社  (文庫版もあり)

「英国に半年間滞在するための家を探していたが、
現地で二十日間ほどあれこれ迷ったあげく
結局サリー州に住むことに落ち着いた。サリー州は
ロンドンの南、サウス・ダウンズと呼ばれる緩やかな
丘陵地帯に位置する。南海岸の保養地、ブライトンへ
続く幹線がほぼ中央を通っているので、今まで
見知っていた北部イングランドの空気とは違う、
どこか明るく開放的な南の空気が街道の彼方から
漂ってくるようだった。自然の質も、また少し違った。
他の州に比べてナショナルトラストの所有地が
多いせいもあるのだろうか、家の庭に訪れる赤ギツネや
小鳥の種類も多様だった。キッチンの窓から見える
ほの暗い茂みにはミソサザイが住んでいた。」

「この二十年で親しくしていた人々ともだんだんに
連絡が取れなくなっていった。明らかに亡くなった人々が
四人、それから所在の知れない人が一人。」

『西の魔女が死んだ』で有名な梨木香歩さんのエッセイ集。
梨木さんが英国留学時代を過ごした下宿の女主人ウェスト夫人や
同じ屋根の下で暮らした人々との交流などを描いている。

梨木さんはご自分のプロフィールや写真の公開を
最小限にとどめている。彼女の限られたプロフィールには
いつも、「英国に留学、児童文学者のべディ・モーガン・
ボーエンに師事」とあるのだが、今回読んだ本の
おかげで、このボーエンさんとウェスト夫人が同一人物で
あることがわかった。

梨木さんは本の中で、いつも動植物を一つずつ
丁寧に描いている。「山がありました」「野草が生えていました」
では済まさず、どんな色の植物がどのような状態で
生えていて、どんな動物が何をしているかを
よく見ている。神は細部に宿るというが、そんなふうな
まなざしで自然を観察している。

人についても感情に押し流されずに(とはいっても、
感情を押し殺さずに)、中立的な視線で描いている。
もちろん暖かさを感じる視線だけれど、だからといって
客観性が失われるほどの肩入れはしない。

著者が留学してから20年の月日が流れ、その間に
亡くなった人や会えなくなった人がいる。わが身を
振り返ると、状況は同じと気づきはっとした。

会いたいと思う人がいるなら、会いに行こう。
その人が高齢ならなおさらだ。

一つひとつの体験や出会いの積み重ねで今がある。
そんなことを思い出させてくれた一冊。

『西の魔女が死んだ』

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

発行  新潮社

名作です。映画にもなりました。

<今日の写真>

Rot02732

























東京・日比谷公園前の白木蓮。満開です。

Rimg0733














青空に映えてきれいでした。

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コメント

ヤスミンさん、こんばんは。

「りかさん」、やはり怖かったですか。
これを機会に読んでみよっと。
確か、「裏庭」にもおどろおどろしいところが
あったように記憶しています。

梨木さんには、人間がもつ表層と深層の両方を
冷静に見つめる強さを感じます。
私は怖いと目を閉じちゃうほうなので、あこがれます。

白木蓮、雨で散るのもまた風流。
掃除は大変そうですが…
今日、たまたま紫木蓮の巨木を見かけましたが、
やはり白がいいなあと思いました。

ちょうど一昨日、梨木さんの「りかさん」読みました(^^)
ちょっと怖いようなお話でしたが。。。
甘いばかりでなく、重くて暗い面も書かれるのが上手ですよね。

白木蓮、きれいですね~。
我が家の近所のは今日の雨で完全に散ってしまうでしょう(;;)

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