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「変装 私は三年間老人だった」


半年以上ぶりになるだろうか、ブログを再開します。

面白い本を読んだ。

「変装 私は三年間老人だった」
著者 パット・ムーア
発行 朝日出版社

若き女性工業デザイナーが週に1度、仕事の合間をぬって
80歳くらいの女性に変装した3年間の記録。

高齢者が使いやすい製品デザインをするという目標があって
始めたことだったけれど、高齢者の生活を疑似体験することで
高齢者の気持ちも疑似体験したようだ。

変装を始めたのが1979年、著者が26歳のとき。
原書が出版されたのが1985年で、日本語版が出たのが1988年。

にもかかわらず、古さを感じない。今、指摘されている高齢者を
めぐる問題も当時から問題だったことがわかる。

206ページに記された著者の心情の変化が印象的だった。

「私は彼らが助けを切望していることが痛いほどわかっているのに、
助けることができな自分の無力さにいらだった」

「私は自分の限界を素直に受けとめ、一人で世界を救うなんて
ことはとうていできないと認めると、再び活動を始めた」

自分の無力さにいらだったり絶望したあとに、限界を認めてそれでも行動する。

こういうプロセスはおそらく、世界を救うというような大きな問題
だけでなく、小さな問題でもなんでも、自分という人間を生きる上では必要なんだと思う。

「あなたの限界はこれだよ」
「はいそうですか」

というように人から言われて納得できるようなものではないのだろう。

葛藤は大事のような気がする。

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